去る4月26日(日)、毎年恒例の歴史探訪を行いました。
今回の舞台は奈良の飛鳥地方です。
当協会の猪熊理事長の解説を聞きながら、橿原神宮前駅より飛鳥資料館までの道のりにある史跡をまわりました。

石川精舎跡

百済の聖明王より請来した石仏を、蘇我馬子が持ち帰って安置したとされる場所。
所在ははっきりとされていないが推定される跡地の近くの駐車場にて解説をうけた。
石川精舎跡

孝元天皇陵

神話時代の天皇である孝元天皇の陵とされている。
隣接する剣池には、一本の茎から二つの花を咲かせている珍しい蓮が見つかり、蘇我氏が「これは蘇我氏が栄える前兆である」と考え、金泥で蓮の花を描かせ、大法興寺(飛鳥寺)の丈六の仏に供えた。しかし、1年後の乙子の変で蘇我氏は滅びることとなった。
孝元

大野丘北塔跡

仏教を信仰して蘇我稲目が大野丘の北に塔を建てたとされる場所。
物部守屋が疫病を口実に火を放ち倒したとされる。
おおのおか

小墾田宮跡

推古天皇の二番目の宮とされている。
遣隋使小野妹子の帰国に伴われて来朝来朝した隋使・裴世清(はいせいせい)の一行を迎えた場所とされる。
小墾田宮(おはりだのみや) 跡 2

豊浦寺跡(向原寺)

百済から日本へ献上された仏像を蘇我稲目が祀った「向原(むくはら)の家」の故地とされ、7世紀には推古天皇の豊浦宮や日本最古の尼寺である豊浦寺が営まれたとされる。豊浦宮から豊浦寺への変遷を物語る遺構が、向原寺境内で保存されている。
豊浦寺跡 2 豊浦寺跡 3

とようら

 

水落遺跡

古代の漏刻(=水時計)跡とされる遺跡。

水落 水落遺跡(みぞおちいせき)2

石神遺跡

飛鳥寺の北西一帯で斉明天皇や天武天皇など複数の時代の遺構がある。
石神遺跡(いしがみいせき)2

飛鳥資料館

奈良文化財研究所の附属機関で、飛鳥地域の出土品を数多く展示している。
高松塚古墳をはじめとする古墳の出土遺物、日本最初の水時計である水落遺跡や飛鳥寺・川原寺など、飛鳥を代表する遺跡の出土品と模型が展示されている。

飛鳥資料館4 あすか1

 

当日はお天気に恵まれ、気持ちの良い春の一日でした。
猪熊理事長の解説では、遺跡にまつわる物語や発掘当時の裏話もおりこまれ、途中笑いを誘う場面もありました。
古代ロマンに想いを馳せながら、当時の壮大な建造物を想像し、古代の歴史への理解を深めました。

来年は是非皆様もご一緒に、古代から続く歴史を伝える史跡を探訪いたしましょう。